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遺書と遺言書の違いとは?法的効力やどちらを作るべきかを解説

「遺書と遺言書の違いとは?」「遺書と遺言書の違いをわかりやすく理解したい」「法的効力的にどちらを作成すればよいのか知りたい」と思っていませんか?

財産の分け方を遺書に書けば十分なのか、それとも正式な「遺言書」が必要なのか分からないとお悩みなのではないでしょうか。

そして、遺書と遺言書の主な違いは、法的効力の有無です。

本記事では、「遺書と遺言書の違いについて、法的効力やどちらを作るべきか」を紹介します。遺言書を有効に作成して相続トラブルを防ぐための注意点まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

●遺書と遺言書の違い
遺書と遺言書は、主な目的や作成方法、法的効力に違いがあるため、相続について自分の意思を法的に反映させたい場合は、民法所定の方式を満たす遺言書を作成することが重要です。

・遺書とは
遺言書とは
・遺書と遺言書は目的・法的効力・作成方式が異なる

まずは、遺書と遺言書の違いを目的・法的効力・作成方式の観点から確認していきましょう。

◯遺書とは
遺書は、一般に家族や親しい人へ感謝や想いを伝えるための文書として作成されます。

遺言とは異なり、通常は民法で定められた方式に従って作成することを目的としていません。

たとえば、手紙や動画などを使って自由に気持ちを残すことができますが、動画や録音だけでは法律上の遺言としての効力は認められないのです。

一方、遺書として書いた文書であっても、自筆証書遺言などの法定要件を満たしている場合には、「遺書」という名称だけを理由に法的効力が否定されるとは限りません。

遺書と遺言書は名称だけではなく、作成方法や記載内容を含めて区別することが重要です。

◯遺言書とは
遺言書は、民法で定められた方式に従って作成し、財産の承継などについて法的な効果を生じさせるための文書です。

普通方式の遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。

有効な遺言がある場合は、その内容が原則として尊重され、遺産の分け方などに遺言者の意思を反映できます。

ただし、事情によっては相続人などの合意により遺言と異なる遺産分割がおこなわれる場合もあり、遺言があれば常にすべての場面で絶対的に優先されるとは限りません。

自分の財産を誰にどのように承継させたいかを明確にしたい場合、遺言書は有力な手段となります。

◯遺書と遺言書は目的・法的効力・作成方式が異なる
遺書は主に感情や想いを伝えるために自由な形式で作られるのに対し、遺言書は財産の承継などに法的効力を持たせるため、法律上の方式に従って作成します。

両者の大きな違いは、民法で定められた遺言の方式を満たしているかどうかです。

遺言には自筆証書・公正証書・秘密証書という普通方式があり、それぞれ作成要件が定められています。

一方、録音や動画だけで意思を残しても、法律上の遺言としての効力は生じません。

相続について自分の意思を法的に反映させたい場合は、単なるメッセージではなく、法定方式を満たした遺言を作成することが重要です。

●遺言書を作成したほうがよいケース
自分の希望に沿って財産を承継させたい場合や、相続人同士の遺産分割協議の負担を減らしたい場合には、遺言書の作成が有効です。

・財産の分け方に法的な効力を持たせたい場合
・相続トラブルを防ぎたい場合
・特定の人に財産を残したい場合

とくに、法定相続とは異なる財産の承継を希望する場合は、遺言を活用するメリットが大きくなります。

◯財産の分け方に法的な効力を持たせたい場合
法定相続分とは異なる割合で財産を承継させたり、特定の財産を特定の相続人へ承継させたりしたい場合は、遺言書を活用できます。

遺言書がない場合、共同相続人は協議によって遺産の分け方を決めることになります。

そのため、必ず法定相続分どおりに分けなければならないわけではありませんが、相続人同士の合意が必要です。

遺言で「長男に不動産を相続させる」などと具体的に指定しておくことで、遺言者の意思を相続に反映しやすくなります。

財産の承継方法について明確な希望がある場合は、適切な方式による遺言書の作成を検討するとよいでしょう。

◯相続トラブルを防ぎたい場合
遺言書で財産の分け方を明確にしておくことは、相続人同士の話し合いの負担を軽減する方法の一つです。

遺言書がない場合は、共同相続人による遺産分割協議が必要となり、協議がまとまらなければ家庭裁判所での手続きが必要になることがあります。

あらかじめ財産の承継先を具体的に示しておけば、遺言者の意思を相続人が確認しやすくなります。

また、公正証書遺言などを利用すると、方式上の不備や保管上の問題を抑えられます。

将来の相続手続きを円滑に進めるためにも、早めに遺言書を準備しておくことが有効です。

◯特定の人に財産を残したい場合
内縁のパートナーや友人など、法定相続人ではない人へ財産を遺したい場合には、遺言による遺贈を検討することが重要です。

内縁関係にある人は、法定相続人には含まれません。

たとえば、お世話になった友人や内縁のパートナーを受遺者として指定することが可能です。

誰にどの財産を遺贈するのかを明確にしておけば、自分の希望を法的に反映しやすくなります。

ただし、遺留分などほかの相続人の権利との関係にも注意が必要です。

●遺言書の主な種類
普通方式の遺言には、以下の3種類があります。

・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言

作成方法や保管方法、検認の要否などが異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。

◯自筆証書遺言
自筆証書遺言は、自分で作成できるため比較的手軽な方式です。

一方、民法で定められた方式を満たしていない場合は無効になるおそれがあります。

本文・日付・氏名は原則として本人が自書し、押印する必要がありますが、財産目録については一定の条件のもとでパソコンなどによる作成も認められています。

また、通常の自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要ですが、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用したものは検認が不要です。

紛失や保管上の不安を減らしたい場合は、法務局の自筆証書遺言書保管制度も検討するとよいでしょう。

◯公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認し、証人2名の関与のもとで作成する遺言です。

法律の専門家である公証人が関与するため、方式不備で無効になるおそれを抑えられる点が大きな特徴です。

通常は公証役場で作成しますが、事情によっては公証人が自宅・病院・介護施設などへ出張でき、一定の場合にはウェブ会議による対応が認められることもあります。

公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要で、原本も公証役場または所定のシステムで保管されます。

確実性や相続開始後の手続きのしやすさを重視する場合に検討しやすい方式です。

◯秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言内容を公証人や証人に明らかにせずに作成できる方式です。

遺言者が署名・押印した遺言書を封印し、公証人と証人2名の前で自分の遺言書であることなどを申し述べて作成します。

一方、公証人は遺言書の内容そのものを確認しないため、内容の不備や無効となるリスクが残ります。

また、秘密証書遺言は本人が保管する必要があり、法務局の自筆証書遺言書保管制度も利用できず、相続開始後には家庭裁判所の検認が必要です。

内容を秘密にできるメリットと、作成・保管上のリスクの双方を理解して選ぶ必要があります。

●遺言書の書き方
遺言書に法的効力を持たせるには、選択した遺言方式ごとの法定要件を守ることが必要です。

・自筆証書遺言の法定要件を守る
・財産と承継先を明確に記載する

とくに自筆証書遺言では、形式面の不備を防ぐとともに、財産や承継先をできるだけ明確に記載することが重要です。

◯自筆証書遺言の法定要件を守る
自筆証書遺言では、財産目録を除く本文、作成日付、氏名を本人が自書し、押印することが基本的な要件です。

日付は「令和○年○月吉日」のような特定できない記載ではなく、具体的な年月日を記載する必要があります。

財産目録はパソコンで作成したり、登記事項証明書や通帳のコピーを利用したりできますが、自書しない場合は所定の箇所への署名・押印が必要です。

方式上の要件を満たさない場合、遺言が無効になるおそれがあります。

自分で作成する場合は、法務省が示す最新の作成要件を確認しながら進めることが重要です。

◯財産と承継先を明確に記載する
遺言書では、「誰に」「どの財産を」承継させるのかを第三者が判断できるよう明確に記載することが重要です。

不動産など特定の財産を指定する場合は、その財産を客観的に特定できる情報を記載すると手続きを進めやすくなります。

たとえば、不動産について所在・地番・家屋番号などを用いて特定する方法があります。

個々の財産を明確に特定しておけば、相続開始後に遺言内容を確認しやすくなります。

曖昧な表現を避け、対象となる財産と承継先をできる限り分かりやすく記載しましょう。

●遺言書を有効に作成して相続トラブルを防ぐための注意点
遺言書を作成するときは、方式だけでなく、作成時の遺言能力や遺留分にも注意する必要があります。

・遺言能力があるうちに作成する
・留分にも配慮する

遺言が有効でも、その内容によって相続人同士で争いが生じる可能性があるため、相続開始後の状況まで見据えて内容を検討することが重要です。

◯遺言能力があるうちに作成する
遺言をするには、遺言時にその内容を理解・判断できる遺言能力が必要です。

民法では15歳に達した人は遺言をすることができ、遺言者は遺言をする時にその能力を有していなければなりません。

政府広報も、満15歳以上で意思能力があれば遺言書を作成できると案内しています。

そのため、重要なのは「認知症と診断されたかどうか」だけではなく、遺言を作成した時点で必要な判断能力があったかどうかです。

有効性をめぐる問題を避けるためにも、判断能力が十分なうちに遺言の作成を検討するとよいでしょう。

◯遺留分にも配慮する
兄弟姉妹以外の相続人には、一定の場合に最低限保障される相続上の取り分である遺留分があります。

遺留分を侵害する内容の遺言であっても、それだけで直ちに遺言全体が無効になるわけではありませんが、遺留分権利者は受遺者などに対して遺留分侵害額に相当する金銭を請求できます。

たとえば、特定の1人に全財産を承継させる内容にすると、他の遺留分権利者から金銭の支払いを求められる可能性があります。

したがって、法律上可能な遺産配分であっても、遺留分を考慮しなければ相続後の紛争につながることがあります。

遺言を作成する際は、自分の希望だけでなく、遺留分を含めた相続人の権利関係も確認しておきましょう。

●遺言書を自分で作るか弁護士に相談するか迷ったら?
財産構成や相続人の関係が複雑な場合は、弁護士などの専門家へ相談することを検討するとよいでしょう。

不動産が複数ある場合や法定相続とは異なる承継を希望する場合などは、遺言の文言や遺留分への配慮が重要になります。

自筆証書遺言は自分で作成できますが、方式や内容に不安がある場合は専門家の助言を受ける方法があります。

また、公正証書遺言を選択すれば、公証人が遺言者の意思を確認して公正証書を作成します。

自分で作成できるケースもありますが、確実性を重視する場合や判断に迷う場合は専門家の支援を活用しましょう。

●まとめ
遺書と遺言書は、目的や作成方法、法的効力に違いがあります。

家族への感謝や想いを自由に伝えることが主な目的であれば遺書を活用できますが、相続について法的効力を持たせたい場合は、民法所定の方式を満たした遺言を作成することが重要です。

そして、遺言書をめぐるトラブルの多くは、少しの知識と事前の準備、そして家族への配慮があれば、防ぎやすくなります。

そのため、今もしトラブルになりにくい遺言書を作成したいとお考えの方は、法律のプロである弁護士へ相談しながら作成をするのがおすすめです。

遺言書の種類や記載方法、手続き方法や問題になりやすいポイントなどを含め、ぜひ弁護士に相談しながら進めてみてください。

藤沢市、鎌倉市、茅ケ崎市近郊で、遺産分割に関してお困りでしたら弁護士松永大希(藤沢かわせみ法律事務所)までご連絡下さい。電話 0466−52−5637|受付時間は10:00から18:00メール info@kawasemi-law.comよろしくお願いします!

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