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遺言書でトラブルになりやすいケースとは?トラブルを避ける方法を紹介

「遺言書でトラブルになりやすいケースは?」「将来的に財産をめぐって揉めそうで不安」「相続トラブルを防ぐための正しい遺言書の作り方を知りたい」と思っていませんか?

遺言書で相続トラブルを避けるためには、正しく遺言書を作成する必要がありますが、どう進めるべきか分からずお悩みなのではないでしょうか。結論、トラブルになりにくい遺言書を作成するには、弁護士などの専門家に相談するのが有効な方法です。

本記事では、「遺言書でトラブルになりやすいケースやトラブルを避ける方法」を紹介します。専門家へ相談するタイミングまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

遺言書でトラブルになりやすいケース
遺言書でトラブルになりやすいケースは、以下のとおりです。

遺言書の形式不備がある
遺言書の内容に納得ができない
遺言書で家族以外の遺贈の指定がある
遺言内容が曖昧である
想定をしていない相続人がいる
寄与分の主張があった
相続税の支払いが考慮されていない
遺言書を勝手に開封した人がいる
遺言執行者が指定されていない
遺言書がない
遺産分割協議後に遺言書が見つかった
遺言書が認知症になってから作成されたものである

それぞれ紹介します。

◯遺言書の形式不備がある
自筆証書遺言は、法律で定められた形式をひとつでも欠くと無効になるリスクがあります。

民法(第968条)では、遺言者が自筆で全文、日付、氏名を書き、押印することを厳格に要求しているのが理由です。

たとえば、パソコンで作成した部分がある、日付が「令和5年吉日」のように特定できない、「署名はあるが押印がない」といったケースは、すべて形式不備にあたります。

ただし、法改正により「財産目録」は、パソコンでの作成や通帳のコピー、不動産の登記事項証明書の添付などが認められるようになりました。

この例外を適用するには、財産目録の各ページ(両面に記載がある場合は両面とも)に、遺言者が署名・押印するといった要件を満たす必要があります。

たったひとつの小さなミスが、遺言者の大切な意思表示そのものを無に帰してしまう場合もあります。

遺言書の内容に納得ができない
特定の相続人に偏った財産配分は、ほかの相続人の不満を招き、深刻な対立を生む場合もあります。

法律で保障された最低限の取り分である「遺留分」を侵害する内容だと、ほかの相続人が金銭での支払いを求める「遺留分侵害額請求」を起こせるのが理由です。

もし「全財産を長男に相続させる」といった遺言があった場合、ほかの兄弟姉妹や配偶者は、自身の遺留分に相当する金額を長男に請求できます。

相続人間の感情的なしこりを残さないためにも、内容の公平性への配慮は欠かせません。

遺言書で家族以外の遺贈の指定がある
相続人以外の第三者へ財産を渡す「遺贈」は、理由が不明確だと相続人の不信感につながりやすいです。

相続人からすると、なぜ家族ではない人物に財産が渡るのか理解できず、「故人は騙されていたのではないか」といった疑念を抱く原因になります。

たとえば、長年介護をしてくれたヘルパーさんやお世話になったNPO法人への遺贈を考えている場合、その背景を説明しなければ、相続人は到底納得できないケースもあります。

感謝の気持ちを伝える遺贈が、かえって家族の絆を壊さないよう注意が必要です。

遺言内容が曖昧である
財産の指定が曖昧な遺言書は、解釈をめぐる争いの原因です。

誰が読んでも同じように理解できる書き方でなければ、各相続人が自分に都合の良い解釈を主張し、収拾がつきづらくなります。

たとえば「A銀行の預貯金を妻に」と書かれていても、普通預金なのか定期預金なのか、複数の口座があった際に特定できず、トラブルに発展する場合もあります。

後々の紛争を避けるためには、財産を一つひとつ正確に特定できるレベルでの詳細な記載が求められます。

想定をしていない相続人がいる
遺言者の死後、予想外の相続人が現れると、遺産分割の手続きが複雑化してしまいます。

もし新たな相続人が判明した場合、その人を含めて遺産分割協議をはじめからやり直す必要があり、それまでの合意が無駄になりかねません。

たとえば、遺言者が過去の婚姻で子をもうけていた場合や、認知している婚姻関係にない男女の間に生まれた子がいた場合などが該当します。

相続人調査を怠ったまま遺言書を作成すると、残された家族に負担を強いる結果を招きます。

寄与分の主張があった
特定の相続人による「寄与分」の主張は、家庭裁判所での争いに発展しやすい問題です。

「特別な貢献」の程度は、客観的に金銭評価することは難しく、ほかの相続人の同意を得にくいケースです。

たとえば、「長年、親の介護を無償でおこなってきたから、その分多く財産をもらうべきだ」といった主張に対し、ほかの兄弟が「それは親子として当然の行為だ」と反論する場合もあります。

感謝の気持ちが原因で家族が争わないよう、生前の対策が不可欠となります。

相続税の支払いが考慮されていない
納税資金を考慮しない遺産配分は、相続した家族を経済的に苦しめる結果になりかねません。

相続税は原則として現金一括納付であり、期限(相続開始を知った日の翌日から10カ月以内)までに支払えないと延滞税が発生します。

財産は「渡す」ことだけでなく、相続後の家族の「負担」まで見据えた計画が重要です。

遺言書を勝手に開封した人がいる
自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、家庭裁判所の「検認」を経ずに開封してはいけません。

勝手に開封すると5万円以下の過料に処される場合があるだけでなく、ほかの相続人から内容の偽造や改ざんを疑われる原因になります。

しかし、遺品整理中に遺言書を見つけた相続人が、その場で中身を確認しようと封を切ってしまうケースもあります。

遺言書の発見者による善意の行動が、かえって相続人間の不信感を煽る事態を招くため注意が必要です。

遺言執行者が指定されていない
遺言執行者がいないと、遺言内容を実現する手続きが停滞するリスクがあります。

不動産の名義変更や預貯金の解約といった相続手続きには、原則として相続人全員の協力が必要です。

たとえば、銀行口座を解約しようにも、相続人の一人が「実印を貸したくない」と協力を拒んだ場合、その時点で手続きは止まってしまいます。

遺言者の意思をスムーズに実現させるためには、遺言執行者を定めておくのが肝心です。
遺言書がない
遺言書がない場合、相続人全員での遺産分割協議が必要となるため、相続トラブルの典型的な原因にもなりやすいです。

相続人全員の合意が得られなければ遺産分割は成立せず、一人でも反対すれば、家庭裁判所での調停や審判といった法的手続きに移行せざるを得ません。
各相続人がそれぞれの権利を主張し合い、協議がまとまらず、長期にわたって家庭裁判所での調停や審判に発展するケースもあります。

家族間の話し合いにすべてを委ねることは、時として深刻な対立を生む場合もあります。
遺産分割協議後に遺言書が見つかった
遺産分割協議の成立後に遺言書が見つかると、協議内容を見直す必要が生じます。

相続においては、被相続人の最終的な意思である遺言書の内容が、相続人間の合意よりも優先されるのが原則です。

一度は全員が納得して遺産分割協議書に署名押印したにもかかわらず、その内容と異なる遺言書が出てきた場合、一度成立した協議の内容を見直す必要が出てきます。

遅れて出てきた一枚の紙が、まとまった家族の合意を覆し、紛争を再燃させる原因となるかもしれません。
遺言書が認知症になってから作成されたものである
認知症など判断能力が不十分な状態で作成された遺言書は、無効と判断される場合があります。

財産をもらえなかった相続人が、「遺言書が作成された当時、故人はすでに重度の認知症だったため遺言能力はなかった」と主張し、遺言の無効を求めて裁判を起こすケースです。

有効な遺言書を作成するには、遺言の内容を正しく理解し、その結果を判断できる「遺言能力」が必要不可欠とされています。

遺言者の意思の有効性をめぐる争いを防ぐためにも、作成時期の見極めは極めて重要です。

遺言書に関するトラブルを避ける方法
遺言書に関するトラブルを避ける方法は、以下のとおりです。

健康なうちに遺言書を作成する
要件を満たす遺言書を作成する
弁護士などの専門家へ相談する
遺言内容は具体的に記載する
内容の公平性を意識する
公正証書遺言で作成する
家族以外への遺贈は理由を明記する
相続人の把握を徹底する
寄与分について明確にする
相続税の支払いを考慮する
遺言執行者を指定する
遺留分に配慮する
遺言書の保管場所を伝える

ひとつずつ解説します。

健康なうちに遺言書を作成する
遺言書は、心身ともに健康で、判断能力が確かなうちに作成するのが最も重要です。

判断能力が低下してからでは、有効な遺言書を作成できず、「遺言能力」の有無をめぐる争いの種を残すことにつながります。

まだ先のことと考えず、たとえば定年退職や還暦といった人生の節目を機に、遺言書の作成を検討し始めるのが望ましいです。

将来の家族の安心を守るための最初のステップは、先延ばしにせず、元気な「今」行動を起こすことにあります。

要件を満たす遺言書を作成する
とくに自筆証書遺言を作成する場合は、法律で定められた形式を厳守しなければなりません。

全文自筆、日付、氏名の自書、押印といった要件がひとつでも欠けている場合、その遺言書は法的に無効と判断されます。

間違いを防ぐためには、法務局のWebサイトなどで公開されている見本を参考にし、一つひとつの要件を指差し確認しながら作成するのが有効です。

遺言者の意思を確実に実現させるためには、定められたルールの遵守が大前提となります。

弁護士などの専門家へ相談する
トラブルになりにくい遺言書を作成するには、弁護士などの専門家に相談するのが有効な方法です。

専門家の場合、法的な要件を確実に満たせるだけでなく、遺留分などの複雑な権利関係や将来起こりうる紛争のリスクまで見越した、最適な内容を提案してくれます。

たとえば、再婚していて前妻との間に子がいる、事業や不動産など分割しにくい財産があるといったケースでは、とくに専門家への相談が有効です。

客観的で法的な視点を取り入れるのが、円満な相続への確かな道筋となります。

遺言内容は具体的に記載する
財産は、誰が読んでも特定できるよう、具体的に特定して記載する必要があります。

曖昧な表現は、相続人間の解釈の違いを生み、紛争の直接的な原因となりやすいです。

不動産は登記事項証明書(登記簿謄本)の記載通りに、預貯金は金融機関名・支店名・種別・口座番号まで正確に書き記しましょう。

残された家族が迷わないよう、明確で詳細な財産のリストアップを心がけるのが大切です。

内容の公平性を意識する
相続人間の感情的なしこりを残さないために、内容の公平性を意識するのが重要です。

著しく不公平な内容は、財産をもらえなかった相続人の不満を招き、たとえ法的に有効であっても、家族関係に修復不可能な亀裂を生じさせるリスクがあります。

法定相続分をひとつの目安としつつ、特定の相続人に多く財産を渡す場合は、その理由やほかの家族への感謝を「付言事項」として書き添えるといった配慮が有効です。

財産だけでなく「想い」を伝える工夫により、家族の絆を守れます。

公正証書遺言で作成する
安全性と確実性を最優先するなら、公正証書遺言で作成するのが有効な方法です。

公証人が内容の法律的な有効性や本人の意思を確認し、原則として証人2人以上の立会いのもとで作成されるため、形式不備で無効になるリスクを低減できます。

また、家庭裁判所での検認も不要なうえ、原本が公証役場に保管されることで、紛失や改ざんの心配もありません。

手間と費用がかかりますが、将来のトラブルを未然に防ぐ有効な備えとなります。

家族以外への遺贈は理由を明記する
第三者に遺贈する場合は、その理由を付言事項に記すと、相続人の理解を得やすくなります。

背景にある感謝の気持ちや経緯が伝わることで、相続人も故人の意思を尊重しやすく、無用な憶測や対立を避けやすいです。

たとえば、「長年の闘病生活を支えてくれたAさんに心から感謝しています。ささやかながら、この財産を遺します」といった一文があるだけで、相続人の受け止め方は変わります。

遺贈といった行為に、温かい想いを添えることが、円満解決のコツです。

相続人の把握を徹底する
遺言書を作成する前に、戸籍謄本を取り寄せて法的な相続人を正確に確定させるのが望ましいです。

もし自分の思い込みで相続人を判断すると、本来権利を持つ人を除外してしまい、遺言書の内容自体があとから覆されるリスクもあります。

自身が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本をすべて取得すると、前妻との間の子や認知した子の有無などを確実に確認できます。

正確な相続人調査は、有効な遺言書を作成するための土台となる重要な作業です。
寄与分について明確にする
特定の相続人の貢献に報いたい場合は、その旨と具体的な財産配分を遺言に明記するのが望ましいです。

生前に遺言で意思表示をしておくと、死後に相続人間で「寄与分」を巡って感情的に対立し、争いに発展する事態を防止できます。

たとえば「子の配偶者であるAさんには、長年にわたり介護でお世話になったため、預貯金のなかから金〇〇円を遺贈する」と具体的に記すと、その貢献に報いることができます。

生前の感謝の気持ちを明確に形にしておくことが、残された家族間の無用な争いを避けることにつながります。

相続税の支払いを考慮する
遺言書を作成する際は、相続人の納税資金まで考慮した財産配分を計画しておくのが重要です。

相続財産の大半が不動産などの場合、相続人が納税資金を準備できず、結果的に自宅を手放さなければならないといった事態を招くリスクもあります。

不動産を相続させる相手には、納税資金に充てられるよう一定額の現預金を合わせて相続させる、あるいは生命保険を活用して死亡保険金が受け取れるようにしておくといった対策が必要です。

財産を残すだけでなく、その後の家族の生活まで見据えた総合的なプランニングが求められます。

遺言執行者を指定する
相続手続きを円滑に進めるためには、遺言で「遺言執行者」を指定しておくのが重要です。

遺言執行者がいる場合、ほかの相続人の協力を得ずとも単独で名義変更や預貯金の解約などの相続手続きを進める権限を持つため、手続きが停滞するリスクを減らせます。

また、信頼できる親族のほか、法律や手続きに詳しい弁護士や司法書士などの専門家を遺言執行者に指定しておくと、よりスムーズで確実です。

遺言者の意思を速やかに実現するための実行役を定めておくのが、円滑な相続をおこなうポイントです。

遺留分に配慮する
後の紛争を避けるうえで、兄弟姉妹以外の法定相続人に保障された「遺留分」を侵害しない配慮が重要です。

遺留分を侵害する遺言は無効にはなりませんが、権利を侵害された相続人から金銭の支払いを請求される場合もあり、紛争の火種となりやすいです。

遺言書を作成する際には、誰にどれだけの遺留分があるかを計算し、その範囲を意識した財産配分を心がける必要があります。

たとえば、相続人が配偶者と子2人で法定相続分が「配偶者1/2、子それぞれ1/4」の場合、遺留分はその半分の「配偶者1/4、子それぞれ1/8」となります。

この最低限の権利を尊重することが、争いを未然に防ぐための重要なポイントです。

遺言書の保管場所を伝える
遺言書の存在と保管場所は、信頼できる家族や遺言執行者に必ず伝えておきましょう。

もし有効な遺言書を作成しても、死後に発見されない場合はその効力を発揮できず、存在しないものと同じ結果になります。

そのため、公正証書遺言にするか、自筆証書遺言を法務局で保管する制度(自筆証書遺言書保管制度)を利用することで、紛失のリスクがなく、相続人がその存在を照会することも可能です。

遺言者の意思を確実に届けるためには、作成するだけでなく、見つけてもらうための工夫が不可欠となります。

●専門家への相談は「遺言書を作りたい」と考え始めたときがタイミング
専門家への相談は、遺言書の必要性を少しでも感じた「今」が最適なタイミングです。

もし「まだ元気だから」「財産が少ないから」と先延ばしにしていると、判断能力が低下や病気など、最適な準備ができなくなるリスクもあります。

専門家は、法律的なアドバイスをするだけでなく、家族構成や財産状況に応じた最適な相続の形を一緒に考え、提案してくれます。

将来の不安を解消し、家族への想いを確かな形にしたい方は、ぜひ専門家の力を活用してみましょう。

まとめ
遺言書でトラブルになりやすいケースには、「遺言書の形式不備がある」「遺言書の内容に納得ができない」「遺言書で家族以外の遺贈の指定がある」などが挙げられます。

遺言書は、単に財産を分けるための事務的な書類ではありません。遺言者が人生の最後に、愛する家族へ向けて送る大切なメッセージであり、深い愛情の表現です。

そして、遺言書をめぐるトラブルの多くは、少しの知識と事前の準備、そして家族への配慮があれば、確実に防げます。

そのため、今もしトラブルになりにくい遺言書を作成したいとお考えの方は、法律のプロである弁護士へ相談しながら作成をするのがおすすめです。

遺言書の種類や記載方法、手続き方法や問題になりやすいポイントなどを含め、ぜひ弁護士に相談しながら進めてみてください。

藤沢市、鎌倉市、茅ケ崎市近郊で、遺産分割に関してお困りでしたら弁護士松永大希(藤沢かわせみ法律事務所)までご連絡下さい。電話 0466−52−5637|受付時間は10:00から18:00メール info@kawasemi-law.comよろしくお願いします!

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