【解決事例】不動産の出来高に関する損害賠償請求で当方の主張が認められた事案
【事例の概要】
建物の建築請負契約を締結し、建物の建築を進めていたところ、注文者から契約解除の意思表示を受けたため、出来高に相当する損害賠償請求に関する請求を自身で行っていましたが、金額について折り合いがつかず、その後の交渉、訴訟を弁護士に依頼しました。
【解決結果】
依頼を受けた後、相手方との交渉を弁護士が行いました。相手方も弁護士に依頼をしたため、弁護士同士の交渉となりましたが、合意に達することはなく、訴訟を提起することとなりました。その後、裁判所において、当方の主張を認めるかたちでの出来高を前提とした損害賠償金の支払いを受けることが出来る和解が成立しました。
【弁護士からのコメント】
民法641条は、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。」と規定しています。これは、注文者に対して不要な仕事の完成を強制することに意味がないからです。そのため、注文者は理由を問わず、契約の解除をすることが出来るとされています。また、民法641条に基づく解除権を行使するに際して、損害賠償の提供を要するものではなく、解除した場合に、注文者は解除によって生ずる損害を賠償すれば良いとされています。
この場合の損害には、
(1)履行済みの部分(出来高)
(2)出来高以外で発生している費用
(3)解除されなければ得られた利益
が挙げられます。ご依頼頂いたケースでは、請負人に債務不履行があったかどうか、出来高の範囲が主に争点となりました。
債務不履行の有無に関しては、具体的な事情を丁寧に主張立証することで、請負人に債務不履行がないことの理解を得ることが出来ました。一方、出来高に関しては、契約書上、出来高の精算に関する計算方法の特約は存在していなかったため、出来高を証拠に基づいて立証する必要がありました。出来高を立証するための証拠を収集し、裁判所に伝わりやすいように主張を積み重ねた結果、当方の主張が認められるかたちでの和解が成立しました。
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