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ある日、訴状が届いてしまったら

先日の「民事訴訟に関するあれこれ」という記事は、訴訟提起における原告側の視点に立った記事だったので、今回は被告側に立った記事です。

Q.訴状を受け取ったら、まず、何をすれば良いでしょうか?

A.「特別送達」と記載された裁判所からの封筒の中に、訴状、書証その他の書類が入っていますので、封筒を開封して訴状等の書類の内容を確認して下さい。


Q.訴状の内容を確認しましたが、原告はこれまで話合いを行っていた相手でした。ただ、請求内容自体は、どう考えても認められようがないものです。裁判所に出廷しないで放っておいても、裁判所が中立な立場で審理してくれますか?

A.訴訟を提起されて何も対応をしないと、「欠席判決」と言って、原告の主張がそのまま認められる可能性があります。そのため、ご自身の主張を裁判所で行って頂く必要があります。


Q.訴状と一緒に、第1回口頭弁論期日の日付が書いてありました。この日は仕事があるため、裁判所に出廷することができません。どのようにすれば良いでしょうか?

A.訴状と一緒に答弁書が同封されていると思いますので、答弁書に必要事項を記載して、答弁書2通を管轄裁判所に送って下さい。答弁書に記載された内容を裁判所において陳述したとみなされますので(陳述擬制)、欠席判決が言い渡されることはなくなります。


Q.管轄裁判所が遠方の裁判所でした。弁護士に依頼しようと思っているのですが、自宅の近くで探した方が良いでしょうか、それとも、裁判所近くの弁護士に依頼した方が良いでしょうか?

A.事案の内容によるとは思いますが、裁判は1年以上かかることもあります。そして、その都度、代理人である弁護士と打合せを行う必要があります。打合せは面談だけでなく、電話、ファックス、メール、書面のやり取り等でも行うことができますが、やはり、直接顔を合わせた打合せが最も良いのではないかと思います。そのため、特殊なケースを除いて、ご自宅近くの弁護士に依頼した方が良いことが多いかと思います。なお、どの程度遠方の裁判所かにもよりますが、依頼する弁護士によっては、交通費のほかに日当が発生する場合もありますので、ご依頼なさる弁護士にご相談ください。


Q.裁判が始まったばかりで、結果は分かりませんが、もし私が弁護士に依頼して勝訴したら、私の弁護士費用を原告に請求することはできますか?

A.訴状の請求の趣旨に「訴訟費用は被告の負担とする。」と記載されていることに関連して、よく頂くご質問ですが、ご自身の弁護士費用を相手方当事者に請求することはできません。


Q.管轄裁判所が遠方の裁判所で、出廷できそうにありません。また、請求されている金額が低額であり、弁護士費用の方が請求金額よりも高くなってしまいそうです。このような場合には、欠席判決が言い渡されるのを待つしかないのでしょうか?

A.場合によっては、「移送の申立て」と言って、管轄裁判所をご自宅の近くに移すことができる場合もあります。また、判決が確定してしまうと、強制執行をされてしまう危険もあります。そのため、諦めずに、一度、弁護士にご相談頂ければと思います。


Q.これまで弁護士に依頼せずに交渉を行ってきました。裁判になってしまった以上、弁護士に依頼しようと思っています。何人かの弁護士に相談して、良さそうな弁護士に依頼をしたいと考えています。ただ、裁判の第1回期日が迫っています。第1回期日までに弁護士に依頼しないといけないのでしょうか?

A.弁護士に依頼する場合、第1回期日までに依頼しないといけないわけではありません。ただ、弁護士に依頼するのであれば、訴訟の早い段階で依頼した方が良いことが多いように思います。第2回の裁判期日は、第1回期日の1か月後くらいに設定されることが多いので、それまでに依頼することをお勧めします。また、第1回期日までに弁護士に依頼しない場合でも、答弁書の提出は忘れずに行って下さい。なお、弁護士としての立場からの意見になってしまいますが、主張立証しなければならない期日までの時間を長く与えられている方がしっかりと準備を行うことができます。


Q.弁護士に法律相談に行く場合、何を持って行けば良いでしょうか?

A.裁判所から届いた書類一式はお持ち下さい。それに加えて、ご自身の主張をまとめたメモやご自身の主張を裏付ける証拠があれば、訴訟の見通し等に関するご説明をさせて頂くことができます。


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