不貞慰謝料請求をされてしまったら
先日、「不貞慰謝料請求と証拠」という記事を掲載しました。この記事は、不貞慰謝料請求を行う立場に立ったものです。今回は、立場を逆にして、不貞慰謝料請求をされてしまった場合についての記事になります。
「不貞慰謝料請求をされてしまった。」と言っても、考えられる場面は様々です。そもそも、不貞行為を行っていないにもかかわらず、請求をされてしまった、という場面も考えられますが、今回は省略して、不貞行為を行ってしまった場合に限定します。
1.不貞相手の配偶者と会うことになった
2.不貞相手の配偶者から手紙が送られてきた
3.不貞相手の配偶者の代理人である弁護士から書面が送られてきた
4.訴訟を提起されてしまった
等の様々な場面が考えられます。
慰謝料は、本来、精神的苦痛を弁償するための金銭ですので、「相場」というものに馴染まない側面がありますが、実際の裁判実務において、同種の事案であれば幾らぐらいの金額になるか、という程度の「相場」は存在するのではないかと考えています。ただ、婚姻期間、不貞行為の頻度・回数等の個別事情によって、慰謝料の金額は増減します。
また、不貞慰謝料請求に限ったことではありませんが、金銭を支払う側の立場の注意点としては、今後、支払う金銭が増えたりしないよう、合意内容を書面に残しておく、という点が挙げられます。
3.弁護士から書面が送られてきた、4.訴訟を提起されてしまった、という場合であれば、弁護士に依頼するということも多いように思います。一方、1・2のような当事者間の任意交渉の場面で、弁護士に依頼するということは、個人的な感覚としては多くないように思います。「弁護士に支払うお金があるのであれば、自分に支払って欲しい。」と思う方もいらっしゃいます。そのため、私の場合は、当事者間の任意交渉の場面において、代理人として介入するかどうかは慎重に判断するようにしています。ただ、代理人として介入しなかったとしても、万が一裁判になってしまった場合に想定される慰謝料の金額をお伝えすることはできますし、合意書(示談書)の作成において注意した方が良い点をアドバイスさせて頂くことはできます。場面場面に応じて、弁護士を上手にご活用頂ければと思います。
関連記事
「不貞慰謝料請求と証拠」
https://www.kawasemi-law.com/column/00000015/