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欠陥住宅と瑕疵担保責任

マイホームを新築する際、大きな期待を抱くことが多いかと思います。一方、実際に建築された建物が、思っていたものと異なる場合の落胆も大きいかと思います。ご相談者の中にも、「自宅の建築が完了したものの、欠陥住宅だった。何とかならないか。」という方はいらっしゃいます。

冒頭から法律の話で恐縮ですが、工事の瑕疵については、建物が未完成の場合と完成した場合とで法律構成が異なります。建物が未完成の場合には債務不履行責任、建物が完成して以降は瑕疵担保責任という法律構成になります。建物が完成しているか未完成であるかについては、工事が予定された最後の工程まで一応終了しているかどうか、という基準で判断されます。実際には、工事が予定された最後の工程まで一応終了しているかどうかについて判断が難しいケースもあります。

欠陥住宅という表現の方が一般的ではありますが、建物が完成していた場合には、瑕疵があったかどうかということが争点となります。瑕疵とは、通常有すべき品質・性能または当事者が表示した特殊な品質・性能を欠くこと、と定義されるのが一般的です。欠陥住宅に関する瑕疵の中で、水漏れ(雨漏り)、床のでこぼこ、シックハウス等に関するご相談が多いような感覚ですが、その他にも、構造上の瑕疵等も考えられます。

瑕疵があるとして損害賠償請求を行う際、請求し得る損害としては、瑕疵修補費用、取壊し費用、不動産評価損、調査費用、転居費用、仮住まいの費用等が挙げられます。慰謝料に関しては、認められる場合と認められない場合があります。住宅に瑕疵がある場合、住宅という物に関する損害が主な内容になります。一方、慰謝料は、精神的な損害です。物に対する財産的損賠が賠償されれば、精神的な損害も回復されるという考えが一般的ですので、財産的損害が賠償されてもなお、精神的損害が残る場合に、慰謝料が認められるように思います。

マイホームに対する期待が大きい反面、思っていた内容と異なる部分の全てが瑕疵に思えることもあるかと思います。ただ、争点を広げ過ぎてしまうと、重大な争点への注意が薄れてしまう可能性もあるため、どの部分についての瑕疵を主張するか、という点に関しては検討を要します。また、医療過誤の場合に医師の意見書を提出して主張の裏付けとするのと同様に、欠陥住宅の裁判においても専門家の意見を必要とすることが多いことも特殊の一つであると考えています。

建築を依頼した住宅が思っていたものと違うために、建築代金(請負代金)を支払うことを拒否する方もいらっしゃいます。このような場合に、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求を行うと、相手方からは請負代金の残金の支払請求がなされることが多いです。この場合にも注意すべき点はあるのですが、別の機会にご説明させて頂きたいと思います。

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